木材の持つ吸放湿力を活かし、エアコンを使わなくても、まるで家が自然に呼吸をしているかのような健康的で快適な湿度コントロールを実現する木造住宅「呼吸する家」のご紹介です。
わが国では、エネルギー消費量の3割以上を住宅、建築部門が占めています。いま政府が進めているのは、住宅の省エネルギー対策の強化です。そこで、住宅の高気密高断熱化がより一層進むようになりました。又、居住環境をより改善しようと、セントラル換気システムや全館空調システムを採用する住宅会社も現れてきました。確かに、高気密高断熱な住宅は省エネになり夏涼しく冬暖かい快適な家になります。居住環境が改善されることで、住む人の健康にも良い家となることは、様々な研究で実証されてきています。しかしそれらの建築費用は一般の工務店で坪単価が65万円以上であったり、ハウスメーカーに至っては、坪単価が80万円から100万円程しているのが現状です。ハイテクノロジーでハイメンテナンスで手間が掛かりかつハイクオリティーな住宅がハイコストで建築されています。ほとんどの高気密住宅はベーバーバリアで建物をスッポリ包んでしまう工法を採用しています。
ベーバーバリアとは、壁内結露を防止するためのビニールシートでビニールクロス同様、湿気や化学物質をほとんど透さない素材です。よって高気密高断熱な住宅は、室内が乾燥しやすく過乾燥の状態になりやすい家です。又、同時に構造躯体である木材の呼吸=調湿性を損なう家づくりにもなっています。
日本の夏は気温が35℃、湿度が85%と高温で蒸し暑くとても不快指数が高くなります。一方冬は気温0℃、湿度22%で極端に乾燥していて、肌のトラベルやのどや鼻の粘膜が乾燥してしまい、風邪やウイルスに対する防御も充分出来なくなります。室内の湿度は40%~60%が理想と言われていますが、湿度が高すぎるとカビやダニの発生しやすい環境になっています。又、乾燥しすぎるとインフルエンザウイルスの生存率が高くなります。梅雨時に湿度を下げると涼しく感じるように(クーラーの除湿モード)室温が28℃でも湿度が50%程度であれば快適に感じるようになります。又、冬期外気の湿度が20%~25%程度の乾燥された状態で湿度が低く寒く感じますが、室温が22℃程度でも湿度を50%に保つことができれば暖かく感じるようになります。湿度を40%~50%程度に維持することは、人の健康と家の長寿命化、そして省エネルギーの貢献につながることでしょう。
木材は周囲の水分を吸放出して自らの水分を一定に保とうとする性質があります。室内が乾燥すれば水分を放出して加湿します。結露しそうになれば吸湿してくれます。つまり、室内の湿度を一定に保つよう加湿と除湿を自動的に行ってくれる天然の装置です。35坪程度の2×4住宅には、材積で14㎥、重量にして7トン程の人工乾燥された木材を使用しています。又、呼吸する断熱材を約1トンも使用しています。この断熱材の保湿能力は約300㎏(300ℓ)もあり、外で雨が降って湿度が100%でも室内は70%以下におさえてくれる優れものです。人にも潤いがある肌が良いように、ほどよい湿度が必要です。構造材が呼吸出来る内装材を使うことで壁内結露の防止にもなり、室内と構造躯体が共に適度な湿度を維持できるようにします。あまり機械に頼らないで快適な住環境をつくり出す家。ローテク、ローメンテナンスでハイクオリティな住宅を本体価格 坪単価45万円(税別)とローコストで提供出来るよう努めております。
弊社モデルハウスにて、季節や天気による家の中の湿度の変化の実験を行いました。雨の日も乾燥時も、見事に湿度を40~60%にコントロールしています。これは木材の調湿性によるもので、室内の湿度が高くなりジメジメしてくると湿気を吸収し、反対に室内が乾燥してくると放出する、湿度の変化を緩和する性能です。湿度をコントロールすることで、結露の防止やカビの防止など、生活空間を快適にし、健康な暮らしへと導きます。
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